福祉用具の費用を確認するときは、商品コード、適用月、契約の内訳をそろえます。Vol.1526の令和9年1月の新商品価格と、Vol.1549の同年2月からの通信機能の取扱いを分け、利用者・家族の疑問を担当者へつなぐメモを整理します。
福祉用具貸与の上限価格|適用月と費用の確認メモの結論
福祉用具貸与の上限価格を確認する際の商品コード・適用月・説明メモを整理します。令和9年1月の新商品価格と、2月からの通信機能の取扱いを分け、給付対象外となる通信費用等の確認点も示します。
- Vol.1526は、令和9年1月貸与分から新たに全国平均貸与価格と貸与価格の上限が適用される福祉用具の新商品について、公表先を周知した通知です。
- 商品コードが変わっても、その商品の上限は適用されます。厚生労働省の価格掲載先とテクノエイド協会の最新コード一覧を照合します。
- Vol.1549の通信機能に関する改正は令和9年2月1日から適用されます。給付対象となる用具でも通信費用等は対象外のため、費用の内訳を担当者へ確認します。
1何が公表されたか
厚生労働省は令和8年7月22日付の介護保険最新情報Vol.1526で、令和9年1月貸与分から適用される福祉用具の全国平均貸与価格と貸与価格の上限について案内しました。対象は「新商品に係る分」で、価格の掲載先として厚生労働省ホームページと公益財団法人テクノエイド協会が示されています。
通知では、福祉用具貸与と介護予防福祉用具貸与の基準に基づき、新商品について3ヶ月に1度の頻度で全国平均貸与価格の公表や上限価格の設定を行う扱いが説明されています。現場では「1月から全部変わる」と受け止めず、対象商品と適用開始月を確認することが出発点です。
Vol.1526
新商品
令和9年1月
2介護現場に関係するポイント
福祉用具貸与の価格は、利用者負担、給付管理、契約説明に関わります。ただし、介護職や現場リーダーが価格の妥当性を単独で判断するものではありません。福祉用具専門相談員、ケアマネジャー、請求担当、管理者が公式資料を確認し、利用者説明に必要な情報をそろえる領域です。
介護職に関係するのは、利用者が実際に使っている用具、使いにくさ、交換希望、家族からの費用に関する質問を、担当者へ漏れなくつなぐことです。用具の安全確認は住宅改修と福祉用具点検でも扱っていますが、今回は価格公表後の説明と記録の流れが主題です。
3職場で確認したい項目
まず、現在貸与している用具の一覧と商品コードを確認します。車いす、歩行器、特殊寝台、手すりなど、利用者ごとに使っている用具名だけでなく、商品コード、貸与開始日、契約上の月額、次回モニタリング予定を同じ表で見られる状態にします。
次に、令和9年1月貸与分から適用される対象商品かどうかを、担当者が公式掲載先で確認します。厚生労働省は、福祉用具届出コードからTAISコードへの変更などがあっても、その商品の上限は適用されると案内しています。コードが一致しないだけで対象外とせず、テクノエイド協会の最新コード一覧と照合します。
現場メモには、照合した資料と確認日、確認した担当者を残します。「対象商品と確認済み」「商品コードを照合中」「家族への説明日を調整中」など、確認結果と予定を分けてください。価格一覧への掲載だけで、個別利用者の給付可否や契約金額まで確定したとは扱いません。
4利用者説明につなげるメモ
利用者や家族へ説明する準備として、確認の理由、関係する貸与分、現在の用具が対象か、選択肢や代替案があるかを整理します。説明した日・相手・説明者・確認資料と、まだ回答できない点を分けて記録します。
次は記録の架空例です。「10月31日、長女から『今の歩行器も1月に料金が変わるのか』と質問あり。相談員Aへ商品コードと契約内容の確認を依頼し、受付の返答あり。対象商品の判定と金額の回答は未着。担当Bが回答を確認後、長女へ連絡する。説明日は未定」。実際の連絡・返答・担当者に合わせ、予定を説明済みとして転記しないでください。

5通信機能と費用の確認
令和8年10月26日付のVol.1549は、通信機能を含む複合的な福祉用具の取扱い等を改める通知です。適用日は令和9年2月1日で、この記事の更新時点では適用前です。Vol.1526の1月の新商品価格とは日付も確認する内容も異なります。
通信部分とその他の機能を区分できない用具について、通知は対象種目と通知する情報・相手などの条件を定めています。例えば、特殊寝台など指定された種目で、維持管理・修理交換・使用状況の把握に役立つ用具の情報を居宅外の利用者や家族等へ通知する場合が含まれます。全種目の限定や位置情報通知の別条件は、出典の新旧対照表3〜4頁を担当者と確認してください。
同じ規定では、利用者の状態変化や体調不良等を知らせる通信機能を有するものは、用具の該当機能を含め全体が給付対象外とされています。また、条件を満たして給付対象となる場合も、通信費用、受信端末、通信環境整備等の費用は給付対象外です。「通信機能付きならすべて対象」「上限価格に通信費用も含まれる」と判断せず、機能と費用を分けて確認します。
職場の確認メモには、商品名・コード、通知する情報、受信する人と端末、用具の貸与価格、通信費用等の内訳、利用開始予定日、確認先を記すと整理できます。これは編集部の確認項目例で、通知の指定様式ではありません。個別商品の適用は福祉用具専門相談員等へ相談し、説明を受けた内容と未回答事項を残します。
令和9年2月1日
機能の条件
通信費用等は対象外
6誤解しやすい点
1つ目の誤解は、Vol.1526を「すべての福祉用具の価格が令和9年1月に変わる」と読んでしまうことです。通知の中心は、新商品について全国平均貸与価格と上限価格が適用される商品の公表です。既存商品の扱いや個別契約は、担当者が商品コードと適用時期を確認します。
2つ目の誤解は、価格上限が示されたら必ず安い商品へ変えるべきだと考えることです。福祉用具は価格だけでなく、身体状況、住環境、使用頻度、操作しやすさ、安全性を合わせて見ます。用具変更の判断は、利用者本人、家族、ケアマネジャー、福祉用具専門相談員で相談します。
7記録・申し送りへのつなげ方
価格公表に関する確認は、請求や契約の担当者だけで閉じると、現場で利用者から質問されたときに返答がばらつきます。申し送りでは、「価格が変わるらしい」と曖昧に書かず、「対象商品か担当者確認中」「家族説明は次回訪問時」など、確認状況と次の行動に分けます。
記録の型は申し送りの例文とテンプレートと同じく、事実、対応、次の確認点を分けると使いやすくなります。訪問系サービスでは、用具の使いにくさや家族の費用不安を聞いた日付も残し、在宅介護従事者の安全確保の確認とあわせて担当者へつなぎます。
記事末尾の申し送りテンプレートは「項目」「記入内容」の2列のCSVです。「気づいたこと」に質問内容、「次の担当者への申し送り」に確認先・返答の有無・次の担当者を記す練習に使えます。価格比較表や契約書、給付申請書ではありません。職場の正式な記録先を確認し、練習では架空情報を使ってください。
8まとめ
令和9年1月の新商品価格と、2月1日からの通信機能の取扱いを分けて確認します。商品コードが変わった場合も最新の一覧と照合し、通信費用等は別に確認します。介護現場では、利用者の質問、担当者への連絡、確認できた結果、次の担当者と説明予定を残しましょう。
9よくある失敗と対策
| よくある失敗 | 対策 |
|---|---|
| すべての福祉用具価格が一斉に変わると思い込む | Vol.1526は新商品に係る公表案内として、対象商品と商品コードを分けて確認します。 |
| 介護職が価格の妥当性を独自判断する | 金額や契約の判断は担当者へつなぎ、現場は聞き取った事実と用具の使用状況を共有します。 |
| 家族説明の内容が記録に残らない | 説明日、説明相手、確認資料、未確定事項、次回確認時期を同じメモに残します。 |
| コードの不一致だけで対象外とする | コード変更後も上限は適用されます。最新コード一覧で同じ商品かを照合します。 |
10よくある質問
Vol.1526はすべての福祉用具貸与価格が変わる通知ですか?
Vol.1526は、令和9年1月貸与分から新たに全国平均貸与価格と上限価格が適用される新商品に関する公表案内です。既存商品のすべてを一斉に見直す通知ではないため、対象商品、商品コード、適用月を分けて確認します。
介護職が利用者へ価格の可否を説明してよいですか?
価格設定、給付管理、契約内容の判断は、福祉用具専門相談員、ケアマネジャー、管理者が公式資料と事業所ルールに沿って確認します。介護職は、利用者や家族から聞いた疑問、用具の使用状況、見直し希望を事実として共有します。
職場では何を記録に残すとよいですか?
商品名、商品コード、確認した価格情報、適用開始月、説明した相手、説明日、次回の見直し時期、利用者の反応や困りごとを残します。金額の最終判断は担当者に確認し、記録には確認した事実を中心に書きます。
通信機能が付いた福祉用具は通信費用も介護保険の対象ですか?
Vol.1549で令和9年2月1日から適用される取扱いでは、条件を満たす用具が給付対象となっても、通信費用・受信端末・通信環境整備等の費用は対象外です。すべての通信機能付き用具が対象になるわけではありません。商品の機能と費用の内訳を福祉用具専門相談員等へ確認します。


