厚生労働省の介護保険最新情報Vol.1515では、特別養護老人ホームなどにおける診療行為の報酬の給付調整について、リーフレットの一部見直しが周知されました。現場では、算定可否を職員が判断するのではなく、配置医師、協力医療機関、看護職、相談員、請求担当が同じ情報を見て動けるようにすることが重要です。

この記事の要点

特養の診療行為と給付調整|急変時に現場で確認したい連携メモの結論

介護保険最新情報Vol.1515を踏まえ、特養の診療行為と給付調整について、急変時の情報共有、配置医師と協力医療機関の役割、記録・申し送りの確認点を整理します。

  • Vol.1515は、令和8年度診療報酬改定で協力医療機関と介護保険施設等のカンファレンス頻度が見直されたことを受け、特養向けリーフレットの記載を一部見直した周知です。
  • 配置医師が行う健康管理や療養上の指導は介護報酬で評価される一方、緊急時や専門外の傷病などでは外部医師の診療報酬が関係する場合があります。
  • 現場職員は算定判断を独自に行わず、急変時の情報、連絡順、協力医療機関との共有内容、記録の残し方を職場ルールとして確認します。

1何が話題になっているか

厚生労働省は令和8年6月23日付の介護保険最新情報Vol.1515として、「介護老人福祉施設等における診療行為に係る報酬の給付調整」に関するリーフレットの一部見直しを周知しました。特別養護老人ホームにおける診療行為について、介護報酬と診療報酬の関係を正しく理解してもらうためのリーフレットを、令和8年度診療報酬改定に合わせて更新したものです。

通知では、協力医療機関と介護保険施設等で行うカンファレンスの頻度が見直されたことを受け、リーフレットの記載内容を一部見直したと説明されています。あわせて、リーフレットは医療行為の報酬評価の例を示すものであり、その他の例は関連通知等を確認するよう求めています。

公式通知

利用者も職員も安心できるよう、動作と環境を整えます。

給付調整

利用者も職員も安心できるよう、動作と環境を整えます。

協力医療機関

利用者も職員も安心できるよう、動作と環境を整えます。

2介護現場に関係するポイント

特養では、入所者の健康管理や療養上の指導を行うために必要な数の医師を配置することとされています。配置医師が行う健康管理や療養上の指導は介護報酬で対応されるため、初診料や再診料などは診療報酬として算定できない扱いが示されています。

一方で、配置医師以外の医師が関わる場合には、緊急の場合や配置医師の専門外の傷病の場合など、診療報酬が関係する例があります。現場にとって大切なのは、どの点数が算定できるかを職員個人で判断することではなく、どの医師に、どの情報を、いつ共有したかを正確に残すことです。

3職場で確認したいこと

まず、急変時の連絡順を確認します。配置医師、看護職、協力医療機関、管理者、家族、救急要請の判断など、施設のルールで誰がどこへ連絡するかを整理します。夜間や休日、配置医師が不在の時間帯にどう動くかは特に確認しておきたい点です。

次に、協力医療機関へ共有する情報をそろえます。直近のバイタル、食事・水分、排泄、意識状態、疼痛、転倒や外傷の有無、服薬、既往、本人・家族の意向、急変時の対応方針などを、看護職や相談員と同じ形式で確認できるようにします。

4協力医療機関との連携を確認する

Vol.1515のリーフレットでは、急変時に協力医療機関の医師が往診する例や、診察の結果として入院が必要と判断される例が示されています。協力医療機関は、病状が急変した場合などに相談対応や診療を行う体制、必要時に入院を受け入れる体制と関係します。

そのため、平時からのカンファレンスや情報共有は、単なる会議回数の確認ではなく、急変時に使える情報を整える場として扱うと実務につながります。ICTで診療情報や急変時の対応方針を確認できるか、できない場合にどの頻度で方針共有を行うかは、施設の管理者・請求担当と公式資料に沿って確認します。

5誤解しやすい点

「外部医師が来れば必ず診療報酬の対象になる」「配置医師なら何も算定できない」と単純に覚えるのは危険です。緊急性、専門外の傷病、看取り、協力医療機関との関係、ICTによる情報連携、カンファレンス、特別の関係の有無など、複数の条件が関わる場合があります。

また、今回の周知は現場職員に請求判断を任せるためのものではありません。介護職員は、利用者の状態変化と対応を事実として残し、看護職や相談員、請求担当が後から確認できる材料を整える役割として受け止めるのが現実的です。

6記録・申し送り・チーム共有へのつなげ方

急変時の記録は、ケアの安全だけでなく、医療機関との連携確認にも使われます。「発熱あり」だけではなく、いつから、何度で、他の症状が何か、食事や水分はどうか、誰に連絡し、どんな指示や助言があったかを分けて残します。

申し送りでは、次の勤務者が最初に見ることを明確にします。たとえば、再測定時刻、観察する症状、家族連絡の有無、協力医療機関からの指示、受診や往診の予定、請求担当へ共有した事実などです。記録は「誰が見ても同じ経過を追える」ことを目標にします。

7まとめ

介護保険最新情報Vol.1515は、特養などにおける診療行為の報酬の給付調整について、リーフレットの一部見直しを周知したものです。現場では、算定の判断を抱え込まず、配置医師、協力医療機関、看護職、相談員、請求担当が同じ情報を確認できるよう、急変時の連絡順、共有情報、記録・申し送りを整えることが大切です。

8よくある失敗と対策

よくある失敗
対策

急変時の連絡順が人によって違う

配置医師、看護職、協力医療機関、管理者、家族への連絡順を施設ルールで確認します。

診療報酬の算定可否を現場職員が断定する

請求判断は担当部署と公式資料に任せ、現場は状態変化と対応を事実で残します。

協力医療機関へ渡す情報が毎回ばらつく

バイタル、症状、既往、服薬、対応方針、家族意向を共有項目としてそろえます。

往診や受診後の申し送りが曖昧になる

指示、再観察時刻、連絡先、次勤務者が最初に見る点を短く共有します。

9よくある質問

今回の周知で、特養の現場手順がすぐ変わりますか?

周知の中心は、診療行為に係る報酬の給付調整を説明するリーフレットの一部見直しです。日々のケア手順を一律に変える通知ではありませんが、急変時の連絡、情報共有、協力医療機関との連携確認には関係します。

介護職員が診療報酬の算定可否を判断する必要がありますか?

介護職員が個別の算定可否を判断するものではありません。配置医師、協力医療機関、看護職、相談員、事務・請求担当が確認する材料として、現場は事実、対応、連絡時刻、共有した情報を正確に残すことが大切です。

協力医療機関とのカンファレンスは何を確認すればよいですか?

施設側では、急変時の対応方針、共有する診療情報、ICTで確認できる情報、連絡先、入院受け入れの相談手順などを確認します。頻度や要件の扱いは、施設の管理者・請求担当と公式資料に沿って確認します。