立ち上がり介助は、移乗の中でも転倒やふらつきが起こりやすい場面です。声かけ、足の位置、手すりや車いすの準備、本人の表情を一つずつ確認し、安全に動き出すための見方を整理します。

この記事の要点

立ち上がり介助の声かけと転倒予防|移乗前に見るポイントの結論

介護現場で立ち上がり介助を行う前に確認したい足の位置、声かけ、ふらつき、車いす準備、記録のポイントを整理します。

  • 立ち上がり前に、足の位置、座位の安定、手すりや車いすの固定、本人の表情を確認します。
  • 「立ってください」だけでなく、動作を小さく区切った声かけで本人の準備を合わせます。
  • ふらつきや痛みがあった場合は、どの動作で起きたか、どう対応したかを記録と申し送りに残します。

1立ち上がりは移乗のリスクが集まる場面

ベッド、椅子、車いすから立ち上がる瞬間は、足の位置、体幹の傾き、眠気、痛み、焦りが重なりやすい場面です。座っていると安定して見えても、立ち上がりで急にふらつくことがあります。

介助者が力で引き上げるのではなく、本人が準備できているかを確認し、動作を合わせることが転倒予防につながります。環境、声かけ、本人の反応を分けて見ると、危険に気づきやすくなります。

足の位置

利用者も職員も安心できるよう、動作と環境を整えます。

声かけ

利用者も職員も安心できるよう、動作と環境を整えます。

ふらつき

利用者も職員も安心できるよう、動作と環境を整えます。

2足と座り方を整えてから声をかける

立ち上がり前は、両足の裏が床についているか、足が前に出すぎていないか、浅く座りすぎていないかを確認します。足が浮いている、膝が伸びきっている、片足だけ後ろに引けない状態では、立ち上がりが不安定になります。

声かけは「立ちますよ」だけでなく、「少し前に座り直します」「足を手前に引きます」「合図で前に体を倒します」のように小さく区切ります。本人の動きが追いついているかを見ながら次の動作へ進みます。

3車いすと周囲の準備を先に終える

車いすへ移る場合は、ブレーキ、フットサポート、足元の物、ベッド柵、手すりの位置を先に確認します。動き始めてからフットサポートを上げる、ブレーキを確認する、物をどけると、介助者の視線が本人から外れやすくなります。

立ち上がる方向、座る位置、支える場所を介助者が決めてから声をかけます。本人にも「右側の車いすへ移ります」「立ったら一度止まります」と伝えると、急な方向転換を減らせます。

4表情や訴えを見ながら無理に進めない

立ち上がり時に顔をしかめる、膝に手を置く、息が上がる、動きが止まる場合は、痛みや不安が隠れていることがあります。「大丈夫ですか」だけでなく、「膝に痛みがありますか」「めまいはありますか」のように具体的に確認します。

ふらつきが出たら、移乗を急がず安全な座位へ戻します。何度も同じ場面で不安定になる場合は、介助方法、福祉用具、時間帯、体調の影響をチームで見直します。

5記録は次の介助者が再現できる形にする

立ち上がりで危険があったときは、「ふらつきあり」だけでは次の職員が同じ場面を想像しにくくなります。どの場所で、どの動作で、どちらへふらつき、どの支え方で安定したかを短く残します。

たとえば「ベッド端座位から立ち上がり時、左膝痛の訴えあり。足を手前に引き直し、手すり使用で立位安定」のように書くと、次回の準備と声かけをそろえやすくなります。

6まとめ

立ち上がり介助では、足の位置、座位、車いすや手すりの準備、本人の表情、声かけの順番を確認します。無理に引き上げず、動作を小さく区切り、危険があった場面を記録と申し送りへつなげることで、移乗時の転倒リスクを減らしやすくなります。

7よくある失敗と対策

よくある失敗
対策

足の位置を見ずに立ち上がりを始める

足底、膝の位置、浅座りの程度を確認し、本人が踏ん張れる姿勢に整えます。

声かけが一度だけで動作が合わない

座り直し、足を引く、前傾、立ち上がりのように動作を区切って伝えます。

車いすの準備を動作中に行う

ブレーキ、フットサポート、足元、移乗方向を先に整えてから介助を始めます。

ふらつきの記録が抽象的になる

場所、動作、方向、対応、対応後の様子を短くセットで残します。

8よくある質問

立ち上がり介助の前に最初に見ることは何ですか?

足底が床についているか、浅く座りすぎていないか、車いすのブレーキとフットサポートが安全な状態かを確認します。

立ち上がりでふらついた場合はどう対応しますか?

無理に動作を続けず座位へ戻し、痛み、めまい、眠気、足の力の入り方を確認します。必要時は施設ルールに沿って看護職や管理者へ共有します。

記録にはどのように残すと伝わりやすいですか?

いつ、どの動作で、どの方向へふらつき、どのように支えたか、対応後の様子を短く残すと次の介助に役立ちます。